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出題傾向




最短距離で小論文を攻略!小論文攻略にはコツがある。

社会・人文・自然科学系の出題傾向

◆社会科学系(法・経済・商・政・社会・福祉・国際)学部の小論文・・・

内容が専門的だったり、専門分野に関連した時事問題(トピックス)です。

社会科学系の科目・・・
経済学、経営学、商学、財政学、法律学、政治学、社会学、、社会福祉学、国際関係学など科目は、編入の場合は、経済学部、経営学部、商学部、法学部、政経学部、社会学部、社会福祉学部、国際関係学部等で履修可能で、編入学試験で試験科目として課せられる。大学院でも試験科目として課せられる。

1.出題形式の頻出順
(1)「〜について論じなさい」(テーマ型=1行問題)形式
目的・・・@「専門科目の知識」、あるいはA「時事問題の知識」を問い、知識や能力を判定する。
注意・・・1つの専門科目でも多数の論点が存在し、またたまたまある社会的問題を知らないために答案を書けないというように、合否が偶然に左右されることもある。
重要なのは・・・「出題者の意図」を把握する。

◆「出題者の意図」を把握するには・・・
関係する書籍や論文を十分に読み、内容を把握しておく。この種の編入試験問題では大学で使用していつ教科書類に出てくる「通説」といわれる見解に従い無難に答案をまとめていれば不合格になることは少ない。答案の採点は出題者ともう一人以上の複数の試験管の合計点で決まる。

◆大学院入試では・・・「1行問題」が主流だが、1990年代に新設された社会人夜間大学院入試では、多くが「課題文型」の出題。
(2)事例式
「Aが・・・して、Bが・・・した場合に、Aはどのような請求が出来るか、あなたの見解を述べなさい」形式。
出題大学や学部・・・難関国立大学の編入試験や法律系の大学院試験で見られる。

◆解答するには・・・
各専門科目の教科書レベルの知識に加え、条文を解釈でき、裁判所の見解も知ること。 「・・・について述べなさい」型の1行問題に対応しながらも、受験対策として司法試験や公務員試験などの準備を兼ねた勉強をする。

(3-1)課題文(読解)型
課題文を読んで@意見を述べる、A要約する、B下線部について説明するなど。
・・・神戸大法学部・名古屋大法学部・大阪大法学部・上智大法学部など法学部系で出題が多く、法学や政治に関する概論、書籍、新聞記事、雑誌などからの引用。
目的・・・専門知識以外の文章力野理解力を基準として、合否を判定する。

傾向・・・編入試験でここ数年、顕著に増加した出題形式。引用される課題文の分量も増加し、難易度も上がっている。

(3-2)資料分析型 表、グラフなどを参考にして与えられた設問について論述する。
・・・経済経営、社会学、総合政策などで出題されることがある。

最近の傾向・・・
 課題文を提示して自分の意見を書かせるタイプが、国立大を中心に目につく。また、グラフや資料を提示して説明させるタイプもある。いずれも専門的立場からの論述です。日頃から、専門書や新聞に親しむ。

2.内容による頻出順
(1)トピックスタイプ
 トピックスは多くの場合、テーマ型で出題されるが、課題文型、資料分析型での出題も少なくない。
 最近の頻出テーマ・・
  法学では・・・司法制度改革
  社会学では・・・少子高齢化
  経済経営では・・・雇用形態の変化・失業対策など

@現代社会の課題として長期的に議論されてきたテーマは頻出。グローバルリズム、少子高齢化、環境問題など、どの学科でも出題可能。
A志望学科に関連したテーマが多く、イラクへの自衛隊派遣など最近の話題からの出題。
(2)一般教養タイプ
一般教養の範囲で、社会科学系各分野のさまざまな問題に関する考え方や歴史などのついて問う。多くは課題文を伴う出題。
 法学では・・・思想家の文章など
 経済経営では・・・産業革命の意義など

3.編入試験と大学院の入試レベル
※特定の大学と大学院入試の問題は社会人特別選抜試験に専門性が希薄な問題が出題されており、同一ないし類似の問題が出題されていることが非常に多いが、これは受験者が他学部卒であったり、社会経験を積んだ社会人という事情を勘案して、広く社会科学一般から選択していると考えられる。
 それ以外の一般的大学では編入試験と大学院入試にあまり差をつけていないが、配点基準に差をつけ、大学院入試に比べ平均点が20点程度甘くなる傾向があるが、その他は同一と考えるべきである。

4.社会科学系小論文の特徴・・・
 (1)個人的な考えや体験は求められていない。
 (2)合格答案に必要なのは「定義」と「問題の所在」
 (3)求められているのは、正確な知識と理解
 (4)周辺領域の知識からも攻めるという手もある


◆人文科学系(文・人文・教養・総合・外国・教育・芸術・音)学部の小論文・・・

人文科学系の小論文にも、専門に関する出題の場合もあります。たとえば、日本文学科などで出題される「大衆文学について論述せよ」など、要過去問題チェック。

人文科学系の科目・・・
歴史学(日本史学、世界史学、東洋史学)、宗教学、考古学、倫理・哲学、文明学、民俗学、音楽、心理学、催眠学、語学(外国語学、英語学、日本語学など)、言語学、比較文化学、芸術学、保健体育学、文学(日本文学、外国文学、東洋文学など)、人間学部、国際学部、教養学部、社会福祉学部、各教育学学、など

1.出題形式(パターン)の頻出順
 (1)課題文読解型
 (2)志望理由型
 (3)個人の関心度型
 (4)トピックス型
  (5)資料分析型
 (6)テーマ型
 最近の傾向・・・

  (1)の課題文読解型が頻出で、文章読解力と論述力を同時にみます。最近、社会学科系の学部でも出題。

2.内容による頻出順
 (1)志望理由タイプ(広く受験学科・研究科または専攻の専門科目を必要とする)
 (2)一般教養タイプ(専門知識を必要としない)
 (3)トピックスタイプ(専門知識の中でも自分の関心事やトピックスに関わる部分で必要とするもの)
 (4)抽象的なテーマタイプ

※編入・社会人入試とも特徴的なものは(1)志望理由タイプで、専攻に関する知識、関心の深さも合わせて問わる。
3(2年)年次に編入ですので、入学後、学科の勉強内容についていけるかどうかを見る。 社会人入試では、社会人としての目的意識・問題意識を確認する。

3.人文科学系共通小論文と学科・専攻別小論文
 ・・・編入試験は(1)と(2)のくくりで出題・・・

(1)学部の共通小論文として出題の特徴
扱われる内容がどの学科・専攻の受験者でも解答可能な共通問題で、専門知識を必要としない。文学部系、人間学部系、国際関係学部系の3つの学部系統。
@文学部系共通小論文・・・
国立大の文・人文学部などで、課題文を提示して読解させるタイプが圧倒的に多い。
(例:岩手大・茨城大・名古屋大など多数)
A人間学部(心理・教育)系共通小論文・・・
課題文読解型に加え、グラフや資料の分析をさせるタイプ、少子高齢化など現代社会の問題を課題とするトピックス(時事問題)タイプなど

(2)学科・専攻別に出題するタイプの特徴
それぞれの専門に関連して出題されることが多いが、専門論文のように広範囲な専門知識の有無を試すものではない。しかし、日頃の専門科目との関わり方により、内容が深くも浅くもなるので専門に対する関心や理解度が表出する。
@受験学科・専攻の専門に関する受験者個人の関心の度合いについて見るもの
<1−1>・・・その学科・専攻の志望理由や県強雨テーマという課題で書かせるもの
        さまざまな学科・専攻で出題
<1−2>・・・その他のも
        課題の出し方が多少異なる・・・
   例:英米文学科・・・「あなたの人生に影響を与えた英米文学作品について論じなさい」
     心理学科・・・・・「あなたの人生と心理学の関わりについて述べなさい」
     考古学科・・・・・「あなたが関心を持っている遺跡について述べなさい」
A受験学科・専攻に関連したトピックス(時事問題)に関する知識や理解の度合いを見るもの
一般にはトピックスは、社会科学系と異なり、なじまないことが多く出題する学科・専攻は少ない。
教育、国際文化・・・・現代の社会問題におけるトピックスの出題が多い
<教育の例>
「学校5日制について論じなさい」「ゆとり教育についてあなたの意見を述べなさい」「児童虐待」等自分なりの問題意識を問われることが多く、編入試験では専門論文として出題されることもある
<国際文化の例>
異文化コミュニケーションに関連した出題が多く、英語の第二公用語問題、小学校での英語教育の是非などのトピックスが含まれる。課題で直接的に要求されなくても、国際関係の時事問題を題材として取り入れれば、説得力のある小論文に出来る
<ごく少数の例>
日本文学科「日本語の乱れについて」複数の大学で出題されたり、宮沢賢治誕生100年の時は宮沢賢治について書かせる問題が出題されるなど、その年話題になったことが出題される可能性

4.大学院の社会人入試での小論文

・・・ほとんどが専門論文・・・
臨床心理系や教育系の社会人入試で小論文を課すことがあり、学科・専攻で課題に出し方が多少異なる。
@専攻の専門に関する受験者個人の関心度合いや問題意識・問題解決能力を専攻独特の視点から見る
A受験学科・専攻に関連したトピックスに関する知識や理解の度合い、問題意識・問題解決能力を見る
●臨床心理学分野の小論文の例

・スクールカウンセラーを配置するメリットと問題点
・現代社会の対人関係における重要課題とその問題点及び研究方法
・組織運営にあたって心理学がどう貢献するか

一見専門知識をもたなくても解答できる問題に見えるが、一般論で答えても高い評価は得られず、理論また、臨床現場での経験による裏づけが必要。また、事例を示して、理解力、問題把握力、問題解決力を見るものもある。
社会人入試は・・・小論文という名前の専門論文であることが多いので、英語と小論文から1科目選択なら英語を選択する。英語の方が合格状況が良い。


工学系・・・小論文の出題傾向と対策

※工学の使命:「ものづくりにより人類の幸福に寄与する」こと

1.課せられる論文の種類

タイプ 内容 出題頻度



課題型 理論 専門に関連した工学研究、特に機械工学、建築学
について論じる
大学編入:多い
大学院:出題まれ
トピックス 新聞に掲載された工学に関する時事問題などの
記事を読み、意見を書く
大学編入・大学院:
ともに出題多い
課題文型 理論 マスコミに取り上げられた評論や論説などを読み、
意見を書く
大学編入・大学院:
ともに出題多い
トピックス マスコミに取り上げられた評論や論説などを読み、
意見を書く
大学編入・大学院:
ともに出題多い
資料
分析型
トピックス エネルギー問題、コンピュータ、情報などの
資料分析をする。
大学編入・大学院:
ともに出題少ない


志望
理由型
トピックス 志望理由として、工学関係を学ぶ心構え、
研究方法を説明する
大学編入:多い
大学院:出題少ない
専門性に理会を深め、社会に現状との整合性(何が今必要とされているのか)について考える。

2.論文で求められること
 近年、地球レベルの気候変動や大地震による大災害の発生、めまぐるしく変動す社会と人々、相次ぐ産業や企業の不祥事など、スピードアップしながら劇的な変化を遂げる社会や人々に対し、どのような「ものづくり」が必要とされているかを理解する。専門性を理解した上で、単に自分の主張を繰り返すだけでなく、社会的なニーズにどのように合致しているのか、また、自分の主張がどのように人類の幸福に寄与できるのかを理解しながら論じることが求められている。
 実際の研究・開発では「もの」を扱うが、開発の先にはその「もの」を利用する人々の生活が待っていることを忘れてはいけない。

2.論文の構成
 @序論・A本論・B結論。専門性を要求されるので制限字数が多いので、その準備が必要で、また、基礎知識も理学部系統と比べると要求度は高い。要は専門用語を適切に使いながら理論を展開すること。
 編入試験の場合も、本質的には同じだが、要求度は大学院入試ほど高くない。

3.採点のポイント
 理論性重視だが採点基準は同じ。
詳細は「自然科学系」の採点基準を参照。

4.勉強方法
 工学系の論述は具体性(人、時、所など)が第一で、具体性がないと内容が良くても説得力が出ないので、常日頃から基礎的事項や専門的事項をテーマ毎に分けて収集、整理しておく必要がある。また、志望分野とは関係なく新聞全般を読み、社会のニーズを把握するように努めること。特に社会福祉やまちづくり、人為災害などには注意しておくこと。

5.頻出問題
 複雑化したIT社会については要注意。




少子高齢化社会や予想される大災害に対して、どのような対応が可能か、工学が持つ 可能性について。地球温暖化への対策を含め、志望分野において現時点では、どのよ うな活動が試みられているかを要理解。人為的な自己についても要注意。
・大災害と都市計画    ・少子高齢化社会と建築    ・ユニバーサルデザイン
・グリーンエネルギー   ・21世紀の工学の使命(災害や地球環境問題について)

6.推薦図書・参考文献
 川村洋太郎『失敗学のすすめ』『危険学のすすめ』(講談社)
 長谷川眞理子『科学の目 科学のこころ』(岩波新書)
 朝日新聞社『科学朝日』 編集部編『科学史の事件簿』
 小山慶太『ケンブリッチ大学の天才科学者たち』(新潮選書)

7.論文の例
■課題
 建物の高さが年や都市住民に与える影響、効果について述べよ。
          (2004年度横浜公立大学工学部編入試験問題改題)

 都市における建築物の高さに関しては、以下の3つの状況が想定できるだろう。
  (T)高層建築物の集合地帯
  (U)低層建築物の集合地帯
  (V)高層建築物と低層建築物の混在地帯
 (T)は、都市圏での住宅供給という役割を果たす上に、職住接近を可能にし、長距離通勤によってもたらされる時間的ロスを解消するという利点をもたらす。また、高層建築物は、都市におけるランドマークとしての価値を持ち、都市中心部に人を呼び込み、商業活動を活発化するなどの利点も期待できる。その一方で、職住接近は長時間労働をも可能にし、人々の生活の中にメリハリをなくし、人々は生活の中でゆとりを見出すことが困難になって今っているとも言える。さらに、汐留地域に見られるように、高層建築物によって環境変化がもたらされてしまうことも考えられる。汐留地域では、東京湾から流れていた浜風が高層建築物群によって遮断され、街中の夏季気温上昇が明らかになっている。また、ガラス窓からの反射熱量が多い高層建築物は、ヒートアイランド現象の原因の1つになっていることが指摘されていて、将来的には都心部の夏季日中の気温が異常なまでに上昇するというシュミレーション結果も報告されている。高層建築物の集合地帯は、住宅問題などを解決する一方で、物心両面にわたって人々の生活を大きく変える可能性を持っていると言える。
 (U)は、上方に開かれた空間や日照時間が確保され、住宅地に向いていると言えるだろう。空に向かって開かれた空間は、(T)で見たような反射熱などもなく、四季のうつろいを感じさせやすい環境提供につながる。こうした環境は、オフィスビルなどの職場環境と一線を画し、人々にゆとりや癒しを与え、その結果、隣人との交流などにつながることも期待できる。ゆとりによって人々は地域そのものに思考を向けることが可能になり、 地域住民との街づくりを可能にすることが期待できる。その一方で、住宅不足への対応は難しいだろう。
 (V)については、現在日本国内でさまざまな建築紛争が起きているように、高層建築物と、低層建築物が混在するような地域は問題が多いと考えられる。まず、日照権を奪うとともに、景観を損なう可能性も強い。東京都国立市の高層マンション建設紛争に見られるように、高層建築物は日照権を奪うだけでなく、住民が長年にわたって築き上げてきた経緯を無視して町並みを一変させてしまう。さらに高層建築物に隣接する住宅は絶えず圧迫感を受けなくてはならない。こうした高層建築物を低層建築物(住宅)集合地域に建設することは、景 観が持つ地域の価値を損なうとともに、高層建築物利用者と周辺住民間の感情を悪化させる大きな原因になると考えられる。
 建物の高さは、人々の生活、活動、感情などに大きな影響を与える。住宅もんだを解消するという視点だけでなく、好ましい都市づくりという視点からも考えていくべきである。     (1,208字)